01 山が育ててくれるゆずで
みんなの輪をつくりたい

多輪峯山の山裾、見晴らしのいい場所に「小長尾」という集落があります。この地区は、曽爾村を構成する全9地区の中でも人口の少ないところ。だからか、ひときわ住民の団結力が高いといいます。そんな小長尾に暮らす人々が、2016年頃から「ゆず」を地域資源とした特産品開発のチャレンジを開始。この集落を育んでくれている多輪峯山の恩恵を受けて、ゆずがたわわに実り、多くの人の輪をつくりたいという思いを込めて「たわわ」と名付けた生産組合を立ち上げました。

02 もったいないから始まった
小さな集落のチャレンジ

そんな「たわわ」の代表を務めるのが、井上治子さん。40年ほど前に植えたゆずの実りをそのままにしておくのはもったいないと、以前から村内にある「曽爾ファームガーデン」で販売していたこともあり、このプロジェクトでも先頭に立って取り組んでいます。小長尾では10年ほど前から地区をあげてゆずの木を植樹。現在260本ほどが、地区内のあちこちに植えられています。「想定していた収穫量は300キログラムでしたが、昨年は豊作で、3トンのゆずがとれ、みんなびっくりしました」と治子さん。まさにたわわに実ったゆずを生産部の男性陣が収穫し、女性陣が100%果汁と皮の粉末に加工。「たわわ」の商品になるのです。

03 商品開発は試行錯誤、
失敗を積み重ねた

加工部の女性たちはみな家の食を支え続けてきたお母さんたちですが、加工に関しては全員が素人。特に皮の粉末化は試行錯誤の連続だったそう。スチームコンベクションという機械を使って皮を乾燥させる作業がなかなかうまくいかなかったといいます。「温度と風量と時間のバランスが大事なのですが、皮の水分量によって、その調節を変えなければいけないので、最初は焦がしてしまったり、いい色にならなかったりの繰り返しでしたね」と治子さんは笑います。

04 収益を出して継続すること
それが村の元気につながる

「ゆず果汁とゆずパウダーをきちんと販売していくと同時に、新たな商品の構想もみんなで考えていきたい」と治子さんは話します。中には、植えてから100年以上経っている、種から発芽した実生のゆずもあるのだとか。今のゆずは大抵が接ぎ木で育てられるため、これは大変希少なもの。既に「実生ゆずの実をそのままほしい」という声もあがっているといいます。また、「みんなで製品を作って販売して、ちゃんとお金にしていくことが大事。
事業を続けていくためにもボランティアではなく、みんなの仕事にしていきたい。そして、村を元気にしていきたい。継続は力なりだと思う。」と治子さんは言葉を続けます。曽爾の地で、一切の農薬を使わずに育てられ、一つ一つ手搾りで作られたゆず果汁と、試行錯誤の末にできあがった味・色・香りの良いゆずパウダー。魚料理のいいアクセントになり、味噌などの調味料、クッキーなどのおかしに入れてもおいしいです。小長尾の人たちの思いの詰まったゆずの香りを、ぜひ一度味わってみてください。

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