曽爾の風土を守りたい
農業を取り巻く循環をつなぐ
ススキの名所「曽爾高原」で知られる曽爾村は、1300人が暮らす静かな山里です。恵まれた自然環境を資源に古くから農林業が営まれ、その営みが美しい景観を守ることにもつながってきました。そんな大切な基幹産業が未来にわたって受け継がれていくことが地元の人々の願いです。
そのために求められていることは、持続可能な農業。守られてきた資源をもとに栽培された作物が、愛される品として流通し、やりがいへと還元されることによって産業が受け継がれ、それが再び土地や景観を守っていくという連続によって循環は持続していきます。その循環に関わるひとつひとつを応援し、変化していく時代に対応しながら育んでいくことが農林業公社のミッションです。
持続可能な農業のための
取り組み
曽爾村では、農地が荒れることなく継続していくよう、次の世代へのバトンタッチを目標に農地の保全に取り組んでいます。曽爾村の農業においては、伝統のある農協の生産者部会「ほうれん草部会」「トマト部会」に加えて、美しい自然環境を求めて移住し多様なスタイルの農業に取り組む人たちも増えてきています。曽爾村農林業公社は、新しい担い手となる人たちが未経験からのチャレンジであっても挫折することなく営農を持続できるよう、人や農地の斡旋など様々な応援をしています。また少量多品目や有機栽培などに取り組みたい人、新規就農者に対して販路開拓の面で支援、栽培に専念しやすい共同配送のしくみづくりも行っています。そして、規格外野菜も廃棄することなく商品化するシェアキッチンを設けたり、「食」を通じた村民のつどいの場となるマルシェの開催、ECサイトによる販売などを行い、村内外へ村の農産物、特産物の魅力を発信しています。
まだまだ進行形
営みを継承しつつ、未来を創造
「曽爾村のお米や野菜は美味しい」と、評価していただける農産物は、山から湧き出る水、遠い昔から人が手をかけ続けてきた土、高原ならではの気候といった曽爾村の風土が守られてきたからこその味であり、その風土は決して一朝一夕で培うことのできないものです。
「日本で最も美しい村」連合に加盟する曽爾村。そのかけがえない景観に誇りをもって農業を次世代へとつないでいきたいと願う村人の心と、自然豊かな暮らしを求めるこれからの担い手たちの思い。公社はこれらが大きく育ち実っていくための土壌となり、これからも営みを継承し、より良い未来の創造に貢献していきます。