01 特徴ある曽爾米をブランド化
するための協議会を設立

2016年4月に曽爾村農林業公社と曽爾村内の農家たちが集まり「曽爾米ブランド化協議会」を設立し、曽爾で作られるお米のブランディングに取り組んでいます。
その背景には、湧き水や寒暖の差を生かした食味の良い「曽爾米」が、JAによる県域流通で「奈良県産」として、他のお米と一律に販売されていたことや、少子高齢化によりお米作りの担い手が不足し始めていることなどがありました。曽爾村の農業の未来を明るく照らしたい、そして曽爾村のお米の素晴らしさを広めたいという熱い思いが込められています。

02 これからの時代、大切になるのは
安心・安全でおいしいお米作り

きちんと買ってもらえるお米とはどんなものなのか。曽爾村内の農家たちは考え「今の時代はお米作りも昔のままではあかん。“ようけとれたらええわ”ではなく、安心で安全で、より多くの人に喜んでもらえるお米を作ろう」という結論に達します。
そこで、日本一のお米作り名人といわれる山形の米農家・遠藤五一さんに指導を仰ぐことにしました。そうして生まれたのが、化学的に作られた肥料を一切使わない、100%有機肥料で育てたお米。農薬の使用も一般的な栽培基準の半分以下に抑えた、地球環境や他の生物に配慮した特別栽培米です。さらに、お米を作るための水は、平成名水の百選にも選ばれた曽爾高原からの湧き水や、蛍が飛び交う曽爾川の清水を使用。異なる水源、異なる土壌で作られるお米は、それぞれ食味が異なるのも特徴です。

03 環境や他の生物に配慮した
おいしいお米として特別優秀賞に

曽爾米は、「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」の栽培別部門・水田環境特Aで、水質環境や生息生物の多さなどが評価され、金賞に次ぐ特別優秀賞に2度選ばれています。この「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」は国内最大の米コンクール。毎年国内はじめ台湾やアメリカなどから5000以上もの検体が出品された中での受賞。味・育てる環境全てにおいて配慮ある米だと認定された証です。

04 きちんと稼げる道筋を整え、
若い担い手の希望をつくりたい

「曽爾米ブランド化協議会」を設立し特別栽培米をつくりはじめた背景には、農家たちが再び安定した収入を得ることができる道を提供し、次世代の農業従事者に希望を与えるという、村の未来を考える強い思いがありました。田畑の手入れを怠ると荒廃し、雑草が生い茂り、村の美しい風景が失われてしまいます。この危機を回避するため、若い世代の就農者を呼び込む必要がありました。農林業公社はこの課題に対処するため、地元の農家と協力して、曽爾村の米の価値を高めようとしてきました。
以前と同じような農業が困難になってきた高齢農家と、農業を学びたいと願う若者とのマッチングにより、曽爾の風景と農業技術が受け継がれ、地域コミュニティが少しづつ活性化しつつあります。特別栽培米の美味しさが認められて、奈良市の高級ホテルの朝食に提供され、多くの訪問者に喜ばれています。
こうして少しづつですが、望ましい未来に向かって着実な一歩を踏み出しています。この取り組みをゆっくり、でも着実に継続していけるよう、日々努力を重ねています。

曽爾村ブランド米を提供しているホテルに招待され、実際に提供されている食事と料理人との記念撮影。

曽爾の土と水の恵みが
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